2022年も残すところあとわずか。
ベースフードでは今年、新商品のBASE BREAD®ミニ食パン・プレーンの発売や、BASE Cookies®️ココア・アールグレイのリニューアルなどをおこないました。
また、みなさまのおかげで、月間定期購入者数が15万人を突破。社員数も80人を超え、総額20億円の資金調達を実施するなど、着実に歩みを進めることができました。
1年の締めくくりとして、そんな2022年をベースフードのCEO・CMO・CPO3名が振り返ります。
2023年やその先にある展望もお話しているので、ぜひたのしみにご覧ください。
橋本 舜(はしもと・しゅん)
ベースフードCEO。東京大学卒業後、DeNAで新規事業を担当。2016年に独立し、ベースフードを創業。「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」をミッションに、完全栄養の主食 BASE PASTAを開発。Forbes JAPAN 日本の起業家ランキング2023 4位。
齋藤 竜太(さいとう・りゅうた)
ベースフードCMO。ユニリーバ・ジャパン、米walmart出向、リノべるを経て17年5月より現職。サービス運営から広告宣伝、CRM、外部とのアライアンスなど、事業成長のためのマーケティング活動を統括。
田沼 聡美(たぬま・さとみ)
ベースフードCPO。総合商社に入社した後、fintechスタートアップに参画。同社を買収したLINE Payで事業戦略・マーケティングにたずさわる。ベースフードに入社後、BASE BREAD®を開発。現在は、プロダクトの未来や新商品開発・改善に向き合っている。
「月間定期購入者数15万人」の達成
――2022年、月間定期購入者数が15万人を突破しましたね。
橋本:本当にありがたいです。15万人のお客さまに支えていただいてることは、偉大なことだしとても光栄です。その上で、お客さまに満足していただけるようさらに努力をし、この数を100万人、1,000万人と増やしていかなきゃと思っているところです。
田沼:ベースフードを設立してから、約5年でここまで来たというのは、あっという間のような気がするし、振り返ると本当にいろいろなことがありました。それこそ、映画が4本くらいつくれそう(笑)。
わたしたちだけではなくて、お客さまがいたからこそ、このドラマがつくれたんじゃないかなと思います。「おいしくない」と受け入れられなかったところから、がんばって改善して。
その様子を見守り、期待してくださる方々がいたからこそ、ここまでこれたなって。この5年で、たくさんの仲間を得たという思いです。
――橋本さんからは、100万人、1,000万人と定期購入者を増やしていきたいという言葉がありました。ベースフードのミッションやビジョン、バリューはどの程度達成できた感覚がありますか?
齋藤:ようやく10%程度に来たくらいでしょうか。ですが、僕たちのミッションの実現可能性は、かなり高くなってきたなという思いがあります。
最初はひとつのアイディアしかなかった商品も、合計13種類にまでラインナップが広がり、おいしくなっています。社員も80人を超えて、15万人のお客さまが集まりました。
今後10年以内に、これまで以上のスピード感で、BASE FOODをさらに多くのお客さまへ届けられると思います。
それができるのは、今いるお客さまのおかげです。ベースフードのお客さまは、みなさん健康に対してリテラシーや熱量が高く、商品への愛着も深いです。商品をさらに多くの方々へ届けるうえでの「最初のお客さま」として、すごくありがたい存在だと思います。
今後100万人、1,000万人とお客さまが増えても、彼らが僕たちの成長を支えるコアの存在であり続けるだろうと思うと、すごく心強いです。
未知への挑戦
――2022年は、新商品としてBASE BREAD®️ミニ食パン・プレーンが発売されました。ほぼ全国でコンビニ展開もスタートしていますが、今後どのような商品企画や販路を考えていますか?
田沼:実は今、BASE FOOD®をよりおいしくするための技術開発プロジェクトが立ち上がっています。次の1年で、お客さまもびっくりするくらい商品がおいしくなるでしょう。
また、これまで構想はあったもののまだ世に出せていない商品も、徐々に形になったり、発売がみえてきているものもあります。実現すれば、BASE FOOD®️が新たな食シーンでもたのしんでいただけるようになり、さらにみなさんの日々の生活のお役に立てると思います。
――既存の商品以外に、BASE FOOD®を食べるシーンが増えるのはすごくたのしみですね。このプロジェクトについて、齋藤さん、橋本さんはどう思いますか?
齋藤:いちユーザーとして、シンプルにたのしみですね。この1年で開発メンバーがすごく増えて、オフィス1階の開発スペースでは、メンバーが日々あたらしい製品を試食したり、議論を交わしたりしています。
今、ベースフードではこれまで以上に、テクノロジーを生かした商品づくりが活発化しています。開発メンバーの試行錯誤からは、BASE FOOD®の進化の可能性を感じています。
――テクノロジーを生かした商品づくりというのは、具体的にどのような開発をおこなっているんでしょうか?
橋本:例えば、たんぱく質が豊富だけれどふわふわなパン、塩分が少ないけれど満足感のあるパン、全粒穀物をつかっているけれども、苦味がないパンといった感じです。
これらのパンは、世の中にあるパンつくりの技術では、つくることが困難です。ベースフードは、今まさに未知の領域に立っています。現時点にはないオリジナルの方法で、限界を突破する。僕たちは、その基幹技術をつくっている真っ最中なんです。
――すごくワクワクする話ですね。未知の領域への挑戦や新商品の開発にあたって、お三方はどんなチャレンジをしているんですか?
田沼:わたしたちには、「世界でいちばんからだによくて、おいしくて、かんたんな商品をつくる」という共通言語があります。今はこの目標と現状の間に、さまざまなギャップがあります。
プロジェクトのDay1(初日)以前に、今はそのギャップがどんなもので、克服に何が必要かを検証し、明文化することが大切だと思い取り組んでいます。
橋本:ある意味で、まだはじまったばかりの状態とも言えるんです。お客さまと約束していることや、僕たちがやりたいことはまったく実現できていないし、はるか先にあります。
それでも、5人しかいなかった社員が80人になったことで、できることはすごく増えました。目指しているものはまだまだ遠くにありますが、そこに取り組み続けているという感じです。
――社員が増える中で、コミュニケーションや社風の浸透など苦労していることはありますか?
齋藤:そうですね…。前提として、ベースフードのミッションである「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」に共感している方が集まっています。食事会などで他の社員と話すことで、自然と会社の雰囲気が伝わることが多いです。
明確な目標に向かってチームの一員としてがんばることで、自動的にオンボーディングできていると思います。
実は、ベースフードはお客さまからの採用も多いんです。COOの小林もヘビーユーザーでしたし、他にもヘビーユーザーが社内にたくさんいます。
「自分のつかうサービスがとても好きで、それをもっとよくしたい!」ということで、私欲と公欲がマッチすると言います。自分のためになることが、会社ひいては社会のためになります。ぜひベースフードのヘビーユーザーには、入社してより幸せになってほしいです(笑)。
そんなわけで、ベースフードは引き続き、たくさん社員を募集しています。
一同:(笑)
フラットな組織が数々の商品を生み、改良してきた
――10月には、BASE Cookies®︎ココア・アールグレイのリニューアルもありました。BASE FOOD®は高頻度で商品開発・改良をおこなっていますが、組織体制や意思決定プロセスに工夫はありますか?
田沼:いい意味で、ゼロベース思考の人が多いというのはあると思います。ゼロベースで考えられることで、今までにない技術や商品をつくれたことがすごく大きいですね。
社内のBASE BREAD®に携わるメンバーで、パン業界に在籍したことがある人はいません。お菓子やお酒、食品素材といった、それぞれの出身業界のバックグラウンドを生かしつつ、あたらしいものに立ち向かう。それによって、パンに携わっていなかったからこそみえるものがあるのかなと。
各チームに大御所がいないという点も、ベースフードの商品開発のすごくいいところだと思います。大御所がいないことで、チーム全員がフラットにディスカッションできます。
「本当にそうなの?」
「AするとBになると言われているがその仕組は?」
こうした会話が、普段からできる関係性なんです。これが、今までにない商品をつくるベースとして存在しているんじゃないかと思います。
橋本:田沼さんは、自分が大御所にならないように気をつけていたりするの?
田沼:気をつけています。経験や学習を重ねつつも、常に素人視点でいたいなって。元からそういう思いはありましたが、ベースフードに入社してからは、より強く意識するようになりました。
メンバーが増えてからは、BASE BREAD®の製法や性質に関する質問を、たくさんもらうようになったんですね。わたしなりに一生懸命答えていましたが、その答えが相手の考えを狭めてしまうかもと思うようにもなりました。
わたし自身、パンのことを何も知らない状態でBASE BREAD®をつくりはじめたんですが、知らないからこそ思いついたアイディアがいくつもあったんですね。
協力会社の工場さんには「そんなこと普通やらないよ」と言われても、お願いしてつくってもらうと、うまくいったことが何度もありました。だからこそ、わたしも事実は正確に伝える一方で、「それ以外はまだ手を付けていません、未知です」とちゃんと話すようにしています。
橋本:確かに。以前、協力会社の工場の社長さんからこんなことを言われたんですよね。
「田沼さんからの依頼は、当初『訳がわからない』と思っていたんです。それが結果として商品になるのをみて、『こういうやり方もあるのか』と気づかされました」
――それくらい、業界の方にとってベースフードのやり方は特殊なんですね。
橋本:逆に言うと、僕たちはあたりまえとされていることであっても、ちゃんと理解できない限りはあたりまえとしないようにしています。
科学というのは、巨人の肩に乗らないといけません。先人の知恵を理解しつつ、実験を重ねてデータを蓄積して、再現性を確かめる。常に肯定することも、常に否定することも、ありません。単純にフラットな姿勢というのが、ベースフードの特徴です。
田沼:その精神は、商品開発チームだけじゃなく他部署も大切にしていますよね。そのなかで、今までにないビジネスモデルをつくろう、あたらしい商流を開拓しようと試行錯誤しています。
橋本:社会全体の役割分担が、大切なんだと思います。ベースフードには、パン業界の協力会社さんがたくさんいるので、ここを担う必要はありません。彼らが集められない知見・人材を、僕たちが集めていく。
そうやって、競争ではなく世の中のまだ空いているパーツを担うという意識が強いです。
――フラットな姿勢というのは、ここまでの話の中でもかなり納得感があります。とはいえ、社員が80人以上にもなると、衝突することも増えてしまう気がしますが。
橋本:「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」という、ミッションが前提の衝突かどうかをひとつの判断基準にしています。ミッションのための衝突なら、しても構わないというのが僕の考えです。もちろん、伝え方は考えるべきですけどね。
社会のためにつくったこのミッションが、結果として会社にもいい影響を及ぼしているなと思います。
三人の健康法を教えてください!
――ベースフードのバリューには、健康でいる―自分と仲間の心身の健康も追求する―という言葉があります。お三方は、それぞれ健康であるために意識していることはありますか?
田沼:わたしは、毎朝起きたらベッドの上で、2分間プランク(腕立て伏せの姿勢で、肘を床につけて姿勢を維持するトレーニング)をしています。
橋本:2分間って結構長いね!
田沼:最初は、3分40秒を目指して達成したんです。これがクリアできるとアメリカの海兵隊に入れるらしいので。
一同:(笑)
田沼:腰が痛くなるので、今は2分間でおこなっています。最近は、寝る時間を決めるようにもしていて、体調がいいですね。あとは、お風呂に入ったら30分以内に寝るとかですかね。
こうした健康法も、ワークライフバランスをととのえるというよりは、「やりたいことをすべてやるために、必要なメンテナンスをする」というイメージで取り組んでいます。
そう考える方が、毎日がたのしいんです。やるべき仕事の範囲が広がって大変だけれど、とりあえず全部やってみる。「周りに貢献している」と思えれば、いくらいそがしくても心は元気なんですよね。
橋本:ウェルビーイングで一番難しいのが、フロー(集中)状態に入ることなんですよね。ポジティブシンキングとか、意味あることをやるとか、いろいろ方法はあるけれど。
齋藤:フローに入るためにおすすめなのが、森のなかを歩くことと言われていますよね。
僕は健康のために、自然の中に身を置くようにしています。森の中をひたすら歩くことで、健康になっていく気がするんですよね。山が趣味なので、できれば2週に1回、少なくとも月1回は山に行きたいです。
山に行って、1日ずっと川の音を聞いて帰ってきた次の週は、すごくリフレッシュできています。あとは、夜のストレッチとかもやっているかな。
――おふたりとも、いろいろなことをやっているんですね。橋本さんはいかがですか?
橋本:そうですね、ふたりがほとんど言ってくれたかなと思います。あとは、BASE FOOD®︎を食べることでしょうか。
一同:笑
2023年、さらにその先に向けて
――最後に、今後、ベースフードを通じて実現していきたいことや、その上で解決すべき課題についてお聞かせください。それと、みなさんの2023年の目標も伺いたいです。
田沼:わたしは、先ほど商品開発のところでいっぱい話したので、一言だけ。
これから、商品がとてもおいしくなったり、みなさんに喜んでいただける新商品が出たりします。わたし自身も健康があたりまえの世界に本当に変わっていく実感があり、わくわくしているので、ご期待ください!
齋藤:いまBASE FOOD®を食べてくださっているみなさんに、改めて感謝を伝えたいです。ベースフードは、みなさんのおかげもあり、かなり身近な存在になったと思います。それでも、食文化として定着しているわけではありません。
ご飯があって、パンがあって、グラノーラがあって、そしてBASE FOOD®がある。こんな感じで、BASE FOOD®を食事のカテゴリ―として確立させることが、さらなる普及の課題だと思います。
2023年の目標は、毎月定期購入するのがたのしくなる仕掛けを用意することですね。この1年で実装する予定なので、たのしみにしていただければなと思います。商品だけでなく、裏側のサービスの変化もたのしんでください。
もちろん、商品についても「こんなおもしろい食べ方を発見したぞ!」といったアイディアもどしどし送ってくだされば幸いです。
橋本:社員がより心身ともに健康であることで、お客さまも心身ともに健康にできるという状態を、さらに拡充させていきたいですね。
先ほどのフローの話につながりますが、健康というのは決して「病気ではない状態」を指すわけではありません。元気で集中力や意欲にあふれている状態が、本来の健康だと僕は考えています。
そういう健康な社員が、今の10倍いればすごい熱量を生み出せると思うんです。その熱量を持って、お客さまの健康にも貢献する。この流れを加速させるのが、非常に大切だと思います。
田沼さんと齋藤さんが、素晴らしいサービスをつくってくれるので。僕はそうした会社としての根本的な部分に、取り組んでいきたいですね。
僕たちはお客さまも含めて、ひとつのチームだと考えています。今後も引き続き、社会活動に取り組むワンチームの一員として、ベースフードを大きくしていけたらと思います。
100万人、1,000万人、1億人そして世界へとBASE FOOD®が広がっていったとき。
今いるお客さまにとって、定期購入者が10万人台の時にBASE FOODをはじめたということが自慢になるような世界にしていきたいですね。